所属する派遣会社で「同一賃金同一労働」が開始。で、落胆した話
「同一賃金同一労働」という言葉をご存知でしょうか? 非正規社員、派遣社員の方々にとっては、大きな関心事の一つではないでしょうか。
僕の所属する派遣会社からも通達があり、4月より実施されるとのこと。
この響きの良い言葉。 淡いながらも期待をしたのは、僕だけではなかったはず。
しかし、蓋を開けてみれば、何も変わらない。 結局、「政治パフォーマンスの施策だなぁ」という印象 でした。
実際に、通達した内容などを含めて、まとめておきたいと思います。
まず「同一賃金同一労働」の定義が曖昧
このワードの響きが格別良いのは、平等な給与を想像させるからですね。 ただ、実際にはちょっとニュアンスが違います。
同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
と、分かるようでいて、分からない。 とても曖昧なのです。
素直に受け取れば、「正規雇用労働者と非正規雇用労働者の賃金が、同じ職種なら同じ金額になる」というイメージを持つはず。
ところが、そう明言されているわけではありません。 「不合理な待遇差」などという曖昧な言葉に、色々と感じざるを得ません。
伝えられた内容に、肩を落とす
さて、実際に僕が派遣会社から言われた事を、書いてみましょう。
同一賃金同一労働は、派遣先は関係ありません。 所属派遣会社内で、同じ職種の人は、同じような金額を設定します。
派遣会社にはボーナスはないので、当然ボーナスはありません。 ちなみに、賃金については、 「業界内で劣っていることはないので、心配しないでください!😄」 とのこと。
このシチュエーションで、心配しないでって、一番怪しいでしょ笑
期待した自分に、笑うしかない
とんでもなく曖昧なことばかりで、笑ってしまいます。 まず、非正規雇用労働者のための法律なのに、「同一労働同一賃金は派遣会社内で」という点。
派遣会社なんて、同じ職種でも、配属先が大企業と中小企業では、時給がそもそも違うでしょう。
仮に「中小企業配属の方が、大企業レベルの時給に上がります」だったら良いかもしれません。 が、そうはならないでしょう。
下手すると、「大企業配属の時給が、中小企業配属に合わせて下がる」可能性だって否定できません。
そもそも、同じ派遣会社でも、登録している他の人なんて接点すらありません。 当然、時給なんて、知りようもありません。
結局、同じ賃金かどうかなんて、労働者には分からない。 時給が同一かなんて事を、確認しようがないのです。
なぜか最後にフォローするかのように 「業界内では良い方なので、安心してください!」 とか言われましたが、 「これで良い方なら、安心どころか不安しかねーよ」 と心の中で吹いてしまいました。
働き方改革で非正規雇用労働者はハッピーになったのか?
これはノーと言わざるを得ません。 まず無期雇用。
気軽に契約期間や労働時間の変更などができなくなるという、柔軟性の低さ。 時給据え置きなのに、です。
搾取が加速する。非正規:無期雇用の憂鬱
派遣社員が無期契約になると言ったら「待遇の改善」というイメージ。実はデメリットばっかじゃねーかwという話...
同一労働同一賃金も、結局は何も変わらず。 むしろ、マイナスに要因になる可能性 すら秘めているように思うのは、僕だけでしょうか?
企業側は「働き方改革を遵守しました!」という事ができることによって、これまで以上に堂々と非正規雇用者を雇う事ができるわけです。
まとめ:ただ振り回されるだけの非正規雇用労働者
今回の変更で唯一マシだと思ったのは退職金制度の適用。 「三年以上同じ職場で勤めたら、退職金を出す」 とのこと。
でも、この退職金の発生、今からカウントして、三年後です。 もうすでに、四年近く同じ職場で非正規やってるんですけど・・・ここから三年?
あ、あと 「慶弔休暇」もつく ようになりました。 付与された有給とは別に、出産、結婚、身内の不幸などの時に使える有給休暇です。
これすらついてなかった、今まで。 なかなかひどい環境ですよね笑
この国の経済を取り巻く状況には、閉口するばかりです。 新型コロナへ対処や、緊急支援対策をみてみても、ありありと浮き彫りになっていますね。
これらに振り回される事なく、自分で考えて行動していきたいと思います。
ChaosBoy
テーマは「脱・思考停止」。
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