仕事に冷めてしまった

ブルシットジョブと言う言葉があります。
今ちょうどその本を読んでいて、これまで自分が感じてきた違和感の元が、これだったのかと腑に落ちているところです。

ただ、腑に落ちた所で困るのが、仕事に対する情熱がなくなったことです。
いや、これ自体はブルシットジョブを知った事が原因ではありません。
もともと、心にフタをしていた事が、露呈したに過ぎないのです。

僕は、自分の職に魅力を感じない。
興味を失い、情熱的に取り組めなくなっている自分に気がつきました。

そもそも、仕事に情熱的に取り組む必要があるのか?
これが、あるんです。

仕事ってなんだっけ?求められる精神性

なぜか現代の会社や仕事を周辺の話って、仕事に取り組む姿勢などが重視されます。
ぼくは「仕事は飯を食う為にやっている」位の感覚なので、会社に対して忠誠心もないし、愛社精神などの必要性を全く感じません。
おそらく仕事自体は嫌いじゃないですから、「楽しい」と感じたりはしますし、ちゃんとします。

でも、「それじゃ足りない」のが現代の仕事であり、会社が求めるものとなっています。
やりがい、自己実現、キャリアパス、向上心、帰属意識、そういうものが重視され、押し付けられているように感じます。

ぼくはそういうものを求められると、大変息苦しく感じるようです。
もともと、ぼくはそんなものを重視していないのですから。

無意味さに気付いてはいけないゲーム

ぼくはもう40過ぎていますが、この傾向は明らかに加速している気がします。
ブルシットジョブのブルシットジョブたるゆえん。

「実は無駄だと思っているのに、それを口に出してはいけない」
「それどころか、有益だと感じるように取り繕わねばならない」

この傾向は顕著だと感じます。
多様性などとは言いつつも、仕事を好きじゃない人にはその門戸は開かれない訳です。
その居づらさ。

常に評価がつきまとう訳ですが、それ自体の意味なんてあるのでしょうか?
中くらいの中くらい、当たり前に業務をこなしている。
それで十分じゃないですかね。

お金を貰う為の手段ではだめなのか

僕はブルシットジョブ的な側面に対して、とんでもなく冷めてしまったのだと思います。
なんの意味もない。
それを、さも意味のあることのように取り繕うことに、嫌気が差したのだと思います。

能力主義にしても、その正体が明らかになりつつあります。
僕らが仕事に対して抱いていた、いや、抱くように仕向けられていた幻想が、崩壊しつつあります。

そして、これは僕だけではないでしょう。
人生において、仕事に対する考え方を変える時代が訪れているのだと思います。

ベーシックインカムや週15時間労働は、まだまだ遠いかも知れません。
今の息苦しさ位は解消できる、寛容な社会で生きたいものです。

明らかになった自分の気持ち

ここ数年、「いつまでこの仕事を続けるのだろうか」と考えてきました。
何となく、頭にその考えが浮かんでから、その考えが常にちらつくようになりました。

40も中盤にさしかかろうと言う年齢ですから、そのせいだろうと。
人間その時が来ると、自然とそんなことを考えるんだな、と。

しかし、これは根本から間違ってました。

能力主義やブルシットジョブが、自分の中の隠れた感情に陽を当てたのです。
それまでの日々を暮らす中でずっと漂い、沈殿し堆積し続けていた違和感。
それが、明確な言葉となって露わになったのでした。

僕は、この職業を続けたくないと思っている。

職をリセットしたくなる

正直な所、他の職業だって対して変わらないだろうと思っています。
当たり前です。
でも、職を変えようと思っています。

まずは、長く同じ職を経験したことによって、よりストレスフルな役割を負う(負わなければいけない)立場になること。
そして、報酬は別に高くないし、上げる為にがむしゃらに努力するつもりもない。(そもそも、高くなる兆しもないのですが)

ただ、現状維持で居ることを良しとされない状況そのものが、自分にとっては辛いのです。

がんばる気なんてなかった

僕にとって仕事とは、生活費を稼ぐ手段です。
そして、それ自体にまぁまぁの面白みを感じながら、人生のごく一部のものとして(精神だけでも)位置づけたい。

ただ、これまでなんとかやって来れたのは、がんばろうとしていなかったから。
ブルシットに囲まれた中でも、好きなことだったり、夢中になれる瞬間があったからです。

しかし、がんばらなくてはできない事を求められるととても辛い気持ちになる。

それが、考え方や精神に関わることとなると、堪え難い辛さを覚えるようになりました。
なぜなら、自分を捨てて人に合わせると言う行為は、欺瞞だからです。

ブルシット = 欺瞞

欺瞞そのものが自分に合っていないのです。
と言うか、多くの人に合っていない。

だからこそ、多くの人が仕事によって精神を病んでいるんです。

ブルシットジョブが何かを知るなら、この本がお勧めだよ

ブルシットジョブと言う言葉を一般的なものにした本が、「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」です。
とても面白いし、難しそうに見えて割と読みやすい本です。
ただ、ぶ厚いし長い、そして高い(笑)なので敬遠される方もいるでしょう。

なので、おすすめはこちらです。

ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか
最初にあげたの本の翻訳者の方が、分かりやすく要約・解説してくれている本です。

「現代の労働は週に15時間で済むはずだ」と言う力強い論建てに、衝撃を受ける事間違いないでしょう。

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workshift | 2022-12-05
ChaosBoy

テーマは「脱・思考停止」。
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